貯金は夫婦別々の方が良い!?②
今回は前回に引き続き夫婦のお金・財産についてお話させて頂きます。
前回は夫婦で貯めたお金で住宅を購入したら贈与とみなされた!?
という内容でお話しましたが、今回は相続についてお話します。
問題②
夫婦で貯めた「夫の銀行口座」にあるお金は、相続が発生するとどうなるの?
子どもがいない夫婦が「結婚してから貯めた『夫婦のお金』は2000万円あったとします。
全額夫名義の銀行口座にある場合に口座の名義人が死亡すると
子どもがいない場合の法定相続分について、相続人は配偶者(持ち分3分の2)と親(持ち分3分の1)となり
夫が死亡すると、2000万円の預金は夫の両親にも相続権が発生します。
妻からすると、この2000万円は婚姻後2人で貯めたお金だから、1000万円は自分のものなので、相続の対象となるのは半分の1000万円だと思っています。
夫の両親と税務署は実際、夫の名義の銀行口座にあるので、夫が働いて貯めたお金と見るのが自然ではないでしょうか?
夫の両親が権利を放棄してくれれば何の問題もありませんが、相談放棄をしてくれなければ相続でもめることになります。
この場合は亡くなった夫名義の銀行口座に2000万円がありますので、夫婦の共有財産とはならず、相続財産となります。
半分の1000万円を妻に返すのではなく、2000万円の内、妻が3分の2、親が3分の1を取得することになります。
このように夫婦どちらかの銀行口座に夫婦のお金を貯めておくと、住宅を購入したり、相続が発生した場合、対外的に見てどちらか一方のお金と見られてしまいますので問題が発生することがあります。
こういったことを回避するには結婚後の貯金は、夫婦それぞれ「自分の名義の銀行口座」で貯めるのが良いかもしれません。
では、すでに『夫婦のお金』をいずれか一方の銀行口座にしている場合はどうするといいのか。
実態に合わせて、銀行口座を分けておくのが安心かと思います。
たとえば、夫の年収が700万円、妻の年収が350万円の夫婦が、結婚してから2人で貯めたお金が妻名義の銀行口座に1200万円ある場合は、年収比率は2対1なので、1200万円のうちの3分の2の800万円が夫のお金、3分の1の400万円が妻のお金と考えることができます。
夫の800万円を妻の名義の銀行口座から夫名義の銀行口座に振り込み、実態に合わせます。
「それこそ、妻から夫への贈与と思われるのでは?」と思いますが、
仮に税務署に聞かれることがあったとしても「これまで間違えて妻名義の銀行口座に貯めてきたので、実態に合わせるために修正しました」と説明すれば大丈夫です。
その後は「夫婦それぞれの銀行口座」で貯金をしていきましょう。
税務上は、「自分で働いたお金は自分の名義で貯める」のが原則です。
離婚の際の財産分与とは、考え方が異なりますのでご注意下さい。
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