民法解説24 取得時効 人のものが自分のものなる●●制度
民法総則 (No.24)
時効 ②
2.取得時効
( 1 ) 対象となる権利
占有の継続により、所有権(物件)の時効取得が認められます。
所有権以外の賃借権など(債権)についても時効取得が認められます。
土地の一部についても時効取得が認められます。
( 2 ) 所有権の取得時効
(所有権の取得時効)
第百六十二条 二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
2 十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。
➀ 所有の意思
自分が所有者であり、その物を排他的に支配
(自分だけのもの)しようという意思をもって行わなければ
ならない。(自主占有)
(例)賃借人(借主)として行う占有は、所有の意思がな
い占有(他主占有)であり、そのまま何年占有を続け
ても時効で取得することはできない。
※他主占有から自主占有への転換は認められている。
② 占有
事実上の支配(物を所持している状態)
自分自身が占有(持っている状態)する代わりに、他人に
占有させてもよい(代理占有)。
(例)他人の車を貸して(賃貸借)賃借人に占有させて、
その車の所有権を時効で取得するような場合です。
➂ 平穏かつ公然
暴力的に占有を奪ったりせず、かつ、隠したり(隠匿)していないこと。