民法解説46 占有権について 自分のものでも盗まれても取り返してはいけない?
物権 (No.46)
占有権
- 占有権 ➀果実収集・費用償還請求権~
( 1 )占有権とは
(占有物について行使する権利の適法の推定)
第百八十八条 占有者が占有物について行使する権利は、適法に有するものと推定する。
物の所持そのものを保護する権利(事実的支配)
本権者(所有権など)以外の者が占有権(物の所持)をしている
→その占有は当面保護される
※占有権者(物の所持者)は同時に、本権者(所有権・賃借権な
ど)である事が推定される
※本権とは占有(物の所持)を法律上、正当化する権利
※自主占有・他主占有 (民法、24)
※代理占有・間接占有 (民法、24)
覚えていますか?覚えていなければ復習しましょう
( 2 ) 果実収取権
(善意の占有者による果実の取得等)
第百八十九条 善意の占有者は、占有物から生ずる果実を取得する。
2 善意の占有者が本権の訴えにおいて敗訴したときは、その訴えの提起の時から悪意
の占有者とみなす。
(悪意の占有者による果実の返還等)
第百九十条 悪意の占有者は、果実を返還し、かつ、既に消費し、過失によって損傷し、
又は収取を怠った果実の代価を償還する義務を負う。
2 前項の規定は、暴行若しくは強迫又は隠匿によって占有をしている者について準用
する。
※善意の占有者:自己に正当な占有権がないことを知らない
※悪意の占有者:自己に正当な占有権がないことを知っている
※法定果実:家賃、地代、利息等
※自然果実:果実、野菜、牛乳、鶏卵、石材等
( 3 ) 費用償還請求権
(占有者による費用の償還請求)
第百九十六条 占有者が占有物を返還する場合には、その物の保存のために支出した金
額その他の必要費を回復者から償還させることができる。ただし、占有者が果実を取得
したときは、通常の必要費は、占有者の負担に帰する。
2 占有者が占有物の改良のために支出した金額その他の有益費については、その価格
の増加が現存する場合に限り、回復者の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償
還させることができる。ただし、悪意の占有者に対しては、裁判所は、回復者の請求に
より、その償還について相当の期限を許与することができる。
※法定果実:家賃、地代、利息等
※自然果実:果実、野菜、牛乳、鶏卵、石材等
※動画とこのブログを一緒に見てもらうほうが分かりやすいです。
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