栃木県鹿沼市の社会福祉協議会は、成年後見制度によって同社協が後見人となっている同市在住の高齢男性名義の通帳2通から計311万円が引き出され使途不明になっていると発表しています。

 

目次

1.後見制度を悪用、不正が発覚

2.社会福祉協議会の対応

3.まとめ

 

1.後見制度を悪用、不正が発覚

同社会福祉協議会によりますと、職員は現在、脳血管系の疾患のため入院中とのことで、回復を待って確認するそうです。職員入院後の今年3月22日に職員の家族から「所持品の中に知らない人の通帳がある」との連絡が入り通帳を確認したところ、2019年8月から2021年3月まで計36回にわたって現金が引き出された記録があったそうです。金融機関には代理人届けが出されており、同社会福祉協議会の印鑑でしか引き出しができない状態となっていました。

2.社会福祉協議会の対応

被害にあった男性は認知症が進行しているため、本人への説明は行っていませんが、親族に対して謝罪しました。同社会福祉協議会は理事会で全額補償をすることを決めています。今後の対応としては鹿沼署に相談し、調査のため第三者委員会設置も検討しているそうです。記者会見で同社会福祉協議会の会長は、「成年後見制度の中で、あってはならないこと。信頼を損ねたことを深くおわびする」と陳謝しました。

3.まとめ

今回は、職員の家族の申し出によって後見人制度の悪用が発覚したかたちとなりましたが、他にも発覚していない同様のケースが複数あるかもしれません。このようなニュースを見ていると、後見人は専門家に依頼する必要性が高いものと思われます。認知症の方は判断能力が著しく低下してしまうため、後見人制度を悪用されていても気付くことが困難となる可能性が高いので十分な注意が必要となるでしょう。

 

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