民法総則   (No.17)

 

   代理 ⑤

 

5.復代理

 

( 1 ) 復代理人の選任

任意代理人による復代理人の選任)

第百四条 委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。

(法定代理人による復代理人の選任)

第百五条 法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。この場合において、やむを得ない事由があるときは、本人に対してその選任及び監督についての責任のみを負う。

 

代理人が自己の権限の範囲内の行為を他人に行わせる為、さらに他の代理人(復代理人)を選任(復任)すること

※復代理人とは【本人の代理人】であり代理人の代理人ではない

復代理人が相手方と取引をする場合は本人の為の行為(顕名等)が必要である

※代理人が増えたようなイメージを持ってください

 

1.) ➀ 任意代理人

原則:復代理人の選任ができない(自己服務義務)

代理人が復代理人を選任する為、本人と復代理人に

信頼関係が存在するとは限らない

例外:本人の許諾又はやむを得ない事由があるとき

例1:自分にはこの業務が難しいから、承諾を得て他の代理人にやってもらおう

例2:代理人が交通事故に遭い、業務継続が困難であり緊急を要するような場合

 

② 復代理人の行為に対する代理人の責任

規定が無い為、原則通り代理人の債務不履行責任として処理される

 

2.) ➀ 法定代理人

自己の責任で復代理人を自由に選任することができる

 

② 復代理人の行為に対する代理人の責任

原則:復代理人の行為について全責任を負う

例外:やむを得ない事由により復代理人を選任した場合

→選任及び監督についての責任のみを負う

 

( 2 ) 復代理人の権限

(復代理人の権限等)

第百六条 復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する。

2 復代理人は、本人及び第三者に対して、その権限の範囲内において、代理人と同一の権利を有し、義務を負う。

 

復代理人は、代理人の権限の範囲内において、代理人と同一の権利を有し、義務を負う

※代理人の権限の範囲を超える事はできない

代理人の代理権が消滅すれば、復代理権も消滅する

司法書士法人やなぎ総合法務事務所