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民法総則   (No.31)

 

   条件・期限 ②

 

1.条件・期限とは

 

  • 条件:法律行為(契約など)の発生、消滅に条件をつける事

※不確定な事実(条件)

➀停止条件

条件が成就(成立)して効力が発生する

例:試験に合格したら車をあげる(贈与契約)

②解除条件

条件が成就(成立)して効力が消滅する

例:車をあげるよ(贈与契約)でも今年の試験

に落ちたらこの契約はなかったことにする。

→結果、貰った車を返さなければならない

 

  • 期限:法律行為(契約など)の発生、消滅に期限をつける事

※確実な事実(期限)

➀始期

期限の到来まで請求できない

例:毎月月末に家賃を支払う(賃貸借)

→家主は月末まで家賃請求ができない

②終期

期限の到来時に消滅

例:今年の年末まで車を貸してあげる(賃貸借)

→年末に終了する。返さなければならない

 

 

( 2 ) 期限

 

➀(期限の到来の効果)

第百三十五条 法律行為に始期を付したときは、その法律行為の履行は、期限が

到来するまで、これを請求することができない。

2 法律行為に終期を付したときは、その法律行為の効力は、期限が到来した時

に消滅する。

 

a.) 確定期限:到来する時期も確定している場合

例:1年後(〇月〇日)に売却する等

 

b.)不確定期限:到来する時期が不確定な場合

例:雨が降ったら傘をあげるよ

例:Aが死んだら売却する等

 

 

②(期限の利益及びその放棄)

第百三十六条 期限は、債務者の利益のために定めたものと推定する。

例:売買代金を支払うのは1年後でいいよ。

例:貸したお金を返すのは3年後でいいよ。

 

2 期限の利益は、放棄することができる。ただし、これによって相手方の利

益を害することはできない。

例:1年間の利息の設定があれば、1年以内に返済してもそ

の利息を支払わなければならない

 

 

➂(期限の利益の喪失)

第百三十七条 次に掲げる場合には、債務者は、期限の利益を主張することがで

きない。

一 債務者が破産手続開始の決定を受けたとき。

二 債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき。

例:抵当権の設定されている不動産を失火により燃やした等

三 債務者が担保を供する義務を負う場合において、これを供しないとき。

例:債務者が抵当権の設定をなかなか行わない

例:債務者が保証人をなかなか見つけない

※期限の利益は債務者の信用によるものです。

その信用を失ったと考えれば良い

司法書士法人やなぎ総合法務事務所