普段、何事もなく過ごしている分には特段必要ありませんが、いざトラブルに巻き込まれた時、何をすればいいかわからなくなるものです。

そこで今回は、相手に何かしらの債権の回収を行う際に役立つ「内容証明」について、簡単にご紹介させていただきたいと思います。

 

内容証明(内容証明郵便)とは

内容証明書(内容証明郵便)とは、「いつ」「誰が」「誰に」「どういう内容の」郵便を送ったかを証明する郵便を指し、未払い賃金の督促や契約の解除通知など送付先の相手に何らかの債権請求を行う際に利用される証明書になります。

具体的には、差出人が郵便窓口へ出した3通の同じ内容の文書を、1通は受取人へ送付、他の2通は謄本として1通を郵便局が保存(5年間)、もう1通を差出人の控えとする郵便方法です。

文書の内容は当然の事、差出年月日、差出人及び受取人が客観的に証明されるため、

法律的な文書を送付するときや郵便物を後日、裁判における証拠として利用したい

とき等に有効な郵便方法となっています。

 

内容証明郵便の特徴

・封筒に「内容証明」の押印がされている

・文書の末尾に郵便事業株式会社による証明の押印がされている

 

内容証明郵便を使用する時の事例

ここでご紹介させていただく事例は、ほんの一例ですが参考にしてみてください。

  • セクハラ、パワハラについて会社に報告しやめさせたい
  • 名誉棄損の損害賠償請求を行いたい
  • 立ち退き料を請求したい
  • 未払い賃金の請求を行いたい
  • クーリングオフを行いたい
  • 契約破棄を行いたい
  • 工事を完成させたにもかかわらず費用を払ってもらえない
  • 内容と違う工事をされた、完成しないまま放置されている

等。

内容証明郵便のルールについて

内容証明郵便には郵便局が定めるルールがあり、そちらをクリアし他問題のないと判断された書類のみ配達されるものとなっています。

    1. 文字数について

文字数は「1行20字以内・1枚26行以内」と内国郵便約款第123条で定められており、この範囲内でないと認められません。

    1. 文字の種類について

内容証明郵便に使用できる文字についてですが、ひらがな、カタカナ、漢字、数字のみ使用できるとされており、英字は固有名詞(氏名や会社名)のみ使用可とされています。従って、中国語や英語などの外国語で作成された文章は有効と判断されませんので注意が必要です。(内国郵便約款第121条)

    1. 訂正時について

訂正を行う際には、通常の手紙と違い、決まった訂正方法があるためご注意ください。
まず、間違えた箇所を二重線で消し、差出人の印を押印します。更に文字を足す場合には訂正箇所の上など、空欄に記入します。
訂正/削除を行った場合には、欄外に「何字削除、何字加入」と記載する必要があります。

    1. 封筒について

封筒のサイズについては特に定めはありませんが、必ず封をせず郵便局へ提出しましょう。提出後、郵便局でチェックされ、押印された後に郵便局で封が行われます。
また、宛名と差出人の記入については、通常のお手紙と同じく表面に宛名、裏面に差出人の住所などを記入ください。

 

内容について

内容については提出される文章によって注意すべきポイントが異なり、ご自身で作成する事は困難だとおもわれます。また、内容や手続きに不手際があると有効な裁判上の証拠とならないことになりますので、専門家に依頼した方が安心したものが作成できます。

 

 

内容証明郵便のメリット

  1. 精神的圧迫を与える
  2. 相手からすると専門家などに作成された書類がいきなり自身の手元に届くわけですから、その精神的ストレスは強力だと言えます。内容にもよりますが、相手が悪意なく行動していた場合などには内容証明郵便のみで解決する場合もあります。

  3. 証拠として残る
  4. 内容証明郵便は「いつ」「どこで」「誰が」「誰に」「何を」などの細かな情報が保存されるため、裁判などのトラブルに巻き込まれた際にも証拠能力の高いものとして活用する事が可能となります。

  5. 安い
  6. 実際に裁判を起こすことなどに比べ、安価な料金で利用する事が可能です。

 

内容証明郵便のデメリット

  1. 法的な拘束力はなない
  2. 内容証明郵便は意思表示としてはとても有効ですが、
    だからといって法的な効力は発揮しません。法的に相手を強制させる場合には裁判での訴訟手続きなどを行う必要があります。

  3. 行方不明者へは使えない
  4. 行方の分からない人に対して、探し出して郵便を送ることは出来ず、あくまでも相手の居所が分かる方のみ使用できます。行方不明者に対して法的手段を行う場合には訴訟手続きで公示送達などを行う必要があります。

 

まとめ

内容証明郵便は法的拘束力こそないものの、確実に相手に対し債権を意識させ、トラブル対策の手段として、とても有効的だと言えます。

当ブログを読まれている皆様がもし現在、何らかのトラブルに巻き込まれているのであれば是非一度作成の検討をしてみてください。

また、弊所やなぎグループでは、大阪市阿倍野区あべの筋と東京都渋谷区(恵比寿)に事務所を構え、広範囲でのご相談にも対応可能としており、

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セカンドオピニオン相談も受け付けておりますので、今回のようなトラブルに対するお悩み以外にも、相続や遺言、成年後見、任意後見、登記、税金のことなど、どんなお悩みでも結構ですのでお気軽にご相談ください。

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