DV被害に遭われた方が不動産を売買する場合において、引越先の住所を加害者に知られないよう被害者保護の観点から、特例が用意されています。

 

1.DV被害者が売主となるケース

2.DV被害者が買主となるケース

3.登記申請書および添付書類の閲覧を制限する

4.まとめ

 

1.DV被害者が売主となるケース

原則として、不動産を売却するときに住所が変わっている売主は、売却直前の現住所を登記(住所変更登記)をしてからでないと売却登記(所有権移転登記)することができません。例外として、DVに遭った被害者が支援措置を受けていることを証明する書面を添付した場合には、住所変更登記を省略することができます(ドメスティック・バイオレンス及びストーカー行為等の被害者支援に係る住民基本台帳事務処理要綱)。

 

2.DV被害者が買主となるケース

原則として、不動産を購入したときは現住所で登記をしなくてはなりませんが、例外として下記①~③の要件をすべて充たした場合には、前住所、前々住所等で登記ができます。

 

  • 支援処置を受けていることを証明する書面を登記申請書に添付

 

  • 住民票上の住所を秘匿する必要がある旨及び住民票に現住所として記載されている住所地は、配偶者等からの暴力を避けるために設けた臨時的な緊急避難地であり、あくまで申請情報として提供した住所が生活の本拠である旨の上申書(印鑑証明書付き)

 

  • 登記申請書に記載されている住所が、前住所または前々住所等として公務員が職務上作成した住所を証明する書類に記載があること。

 

3.登記申請書および添付書類の閲覧を制限する

被害者の住所を登記簿上から隠すことができても、登記申請書などを閲覧されてしまっては意味がありません。そこで、閲覧制限を申し出ることで、登記申請書等の閲覧を制限することができます。

 

4.まとめ

DVの被害に遭った方は、精神的にも今後の生活にも心配や不安が尽きないと思います。このような状況において、不動産を購入、売却する際に加害者に身元が判明しないか気になる方も多いかと思われます。このような場合、登記記録に現在の住所が登記されないこれらの制度や登記申請などを閲覧できないようにする特例を活用してみるとよいでしょう。また、お困りになった際には専門家に相談することをお勧めします。

 

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