民法解説12 瑕疵ある意思表示 第三者による詐欺 相手以外からの詐欺で契約してしまった場合
民法総則 (No.12)
法律行為・瑕疵ある意思表示
- 第三者による詐欺・強迫
(詐欺又は強迫)
第九十六条 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
( 1 ) 第三者による詐欺・強迫とは
相手方以外の者(第三者)から詐欺または強迫を受けた場合です。
( 2 ) 第三者による詐欺の効果
例:Aが第三者Dにだまされて、自分の土地を、Bに売却する意思表示をした場合。
②売買 ➂売買
A B C
表意者 相手方 転得者(第三者)
↑➀詐欺
Ⅾ
第三者(無関係者)
1.) 騙されたAは意思表示を取り消すことができます。
しかし、善意かつ無過失の相手方Bは保護されます。
※相手方Bが悪意又は有過失の場合は取り消せるという事です。
2.) 騙されたAが取り消すことが出来ない場合(Bが善意無過失)の転得者Cとの関係
→ Cの勝ち(確定的にBのものなので、Cの悪意でもよい)
3.) 騙されたAは意思表示を取り消すことができる場合(Bが悪意又は有過失)の転得者Cとの関係
→ 善意かつ無過失の第三者Cは保護される。
※通常の詐欺の第三者と同じ 96条3項
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( 3 ) 第三者による強迫の効果
例:Aが第三者Dに脅迫されて、自分の土地を、Bに売却する意思表示をした場合。
②売買 ➂売買
A B C
表意者 相手方 転得者(第三者)
↑➀脅迫
Ⅾ
第三者(無関係者)
脅された方Aは意思表示を取り消すことができます。
善意かつ無過失のBも第三者Cも保護されない。(条文通りです)
※詐欺された方は落ち度がありますが、脅された人には落ち度がありません。
※通常の脅迫と同じ 96条
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