民法解説11 瑕疵ある意思表示 詐欺や脅迫されて契約してしまった場合どうしてらいいの?
民法総則 (No.11)
法律行為・瑕疵ある意思表示
6.詐欺
(詐欺又は強迫)
第九十六条 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
( 1 )詐欺とは
詐欺とは、騙されて (欺罔)により意思表示をすることです。
( 2 ) 効果
騙された方は意思表示を取り消すことができます。
しかし、善意かつ無過失の第三者は保護されます。
※第三者が悪意又は有過失の場合は取り消せるという事です。
➀売買 ②売買
A B C
表意者(詐欺された) 相手方(詐欺した) 第三者
➂取消し
1.) 当事者間 → Aの勝ち
2.) 善意かつ無過失のC → Cの勝ち
※Cが勝つ場合でも、AB間は取り消す事が可能です。
3.) それ以外のC(悪意又は有過失)→ Aの勝ち
7.脅迫
(詐欺又は強迫)
第九十六条 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
( 1 )脅迫とは
脅迫とは、脅されて意思表示をすることです。
例:ヤンキーさんがお金くれないと殴るぞ?
例:こわもてのお兄さんが、この土地売らないと、ひどい目に遭わせるぞ? など
( 2 ) 効果
脅された方は意思表示を取り消すことができます。
善意かつ無過失の第三者でも保護されない。(条文通りです)
※詐欺された方は落ち度がありますが、脅された人には落ち度がありません。
➀売買 ②売買
A B C
表意者(脅された) 相手方(脅した) 第三者
➂取消し
1.) 当事者間 → Aの勝ち
2.) 善意かつ無過失のC → Aの勝ち
※瑕疵ある意思表示、全てに関係しますが、この第三者とは取消前に入ってきた第三者です。
取消後の第三者については後日、対抗要件のところで学びます。