民法総則   (No.20)

 

   代理 ⑧

 

6.無権代理

 

( 3 ) 無権代理と相続

親の不動産を、子供が代理人(無権代理)として勝手に売却した場合など。

本人(親)と無権代理人(子供)との間で相続があったとします。

相続人(子供)に本人の地位と無権代理人としての地位が生じます。

このような場合に両方の地位を主張できるのか?

 

本人(親)

A

C           B

無権代理人(子供)        相手方

 

Aの死亡

 

 

 

Cが相続  本人と無権代理人の地位

 

1.) a. 無権代理人(子供)が本人(親)を単独で相続

→無権代理が当然に成立 Cは無権代理人

※本人の地位としての追認拒絶は不可

b. 無権代理人(子供)が本人(親)を他の子供と共同相続

→共同相続人全員で追認しなければならない

 

2.)  a. 本人(親)が無権代理人(子供)を相続

→追認拒絶が可能

※もともと本人は追認拒絶が可能

※もし相手方が無権代理人の責任追及をしてきた場合

→相手方は履行の請求又は損害賠償の請求ができる

→相手方が履行の請求を選択

→結果的に追認拒絶の効力がない(拒絶しても無意味)

※無権代理人の責任追及は前回やっています。

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司法書士法人やなぎ総合法務事務所