民法解説21 表見代理について 無権代理を有効な代理にすること。それが表見代理
民法総則 (No.21)
代理 ⑨
7.表見代理 (無権代理の一種)
( 2 ) 無権代理の相手方の保護
No.19の続きです!
おぼえていますか?
➀(無権代理の相手方の催告権)
本人が追認→契約の時にさかのぼって有効 (追認の時ではない)
②(無権代理の相手方の取消権)
➂(無権代理人の責任)
無権代理人に対して履行の請求又は損害賠償の請求が可能
④(表見代理の成立)109条.110条.112条
相手方が善意無過失+本人の帰責事由 →代理権が有効
※無権代理の一種なので、
②取消しや ➂無権代理人への責任追及も可能
本人
A
本人に効果帰属
➀代理権授与
C B
代理人 ②範囲内の代理行為(顕名) 相手方
④(表見代理の成立)
109条(代理権授与の表示)
110条(権限外の行為)
112条(代理権消滅後)
(代理権授与の表示による表見代理等)
第百九条 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。
代理権授与の表示(本人の帰責事由)
例:委任状や代理契約書を渡した
→実際には代理権を与えていない
(権限外の行為の表見代理)
第百十条 前条第一項本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。
権限外・権限踰越の行為(本人の帰責事由)
例:抵当権などの担保の代理範囲だったのに、売ってしまった
→権限踰越(権限超えた)
※複合技も可:代理権授与+権限外の行為 =表見代理成立
例:委任状や代理契約書を渡した→代理権を与えていない
抵当権の代理範囲(委任状)だったのに、売ってしまった
→代理権授与+権限踰越(権限超えた)
(代理権消滅後の表見代理等)
第百十二条 他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後にその代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対してその責任を負う。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない。
代理権消滅後(本人の帰責事由)
例:昔の代理権が終了したのに、続けて取引をした
→契約期間の満了や、解約後など
※複合技も可:代理権消滅後+権限外の行為 =表見代理成立
例:代理の契約期間満了など
抵当権の代理範囲(委任状)だったのに、売ってしまった
→代理権消滅後+権限踰越(権限超えた)