民法解説44 地役権について 接道していない土地はどうすればいい?何か権利はないの?
物権 (No.44)
地役権 ➀ 地役権の成立及び工作物
- 地役権の成立
( 1 )地役権の成立
(地役権の内容)
第二百八十条 地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。ただし、第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。
➀地役権により便益を受ける土地が要役地 (甲地)
②地役権が設定される土地が承役地 (乙地)
例:乙地について甲地の通行地役権が成立すると、甲地の使用者は乙地を通行できる。
- 甲地 (要役地) の利用価値が増加する (便益)
- 甲地と乙地は隣接していなくてもよい
(地役権の時効取得)
第二百八十三条 地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができ
るものに限り、時効によって取得することができる。
- 継続的に行使され、かつ、外形上認識できるもの
通行地役権は、通路の開設が要役地の所有者によってされなければ「継続」とはいえない(判例)
( 2 ) 承役地の工作物
(承役地の所有者の工作物の設置義務等)
第二百八十六条 設定行為又は設定後の契約により、承役地の所有者が自己の
費用で地役権の行使のために工作物を設け、又はその修繕をする義務を負担
したときは、承役地の所有者の特定承継人も、その義務を負担する。
第二百八十七条 承役地の所有者は、いつでも、地役権に必要な土地の部分の所
有権を放棄して地役権者に移転し、これにより前条の義務を免れることがで
きる。
(承役地の所有者の工作物の使用)
第二百八十八条 承役地の所有者は、地役権の行使を妨げない範囲内において、
その行使のために承役地の上に設けられた工作物を使用することができる。
2 前項の場合には、承役地の所有者は、その利益を受ける割合に応じて、工
作物の設置及び保存の費用を分担しなければならない。
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