民法解説42・43 相隣関係について 「隣地トラブル」を避けるために『絶対に』覚えていた方が良い法律です!!
物権 (No.42)
相隣関係
- 相隣関係(お隣さんとの関係)
( 1 ) 隣地の使用請求
(隣地の使用請求)
第二百九条 土地の所有者は、境界又はその付近において障壁又は建物を築造し
又は修繕するため必要な範囲内で、隣地の使用を請求することができる。ただし、
隣人の承諾がなければ、その住家に立ち入ることはできない。
2 前項の場合において、隣人が損害を受けたときは、その償金を請求することがで
きる。
( 2 ) 自然水流に対する妨害の禁止
(自然水流に対する妨害の禁止)
第二百十四条 土地の所有者は、隣地から水が自然に流れて来るのを妨げてはな
らない。
( 3 ) 公道に至るための他の土地の通行権
(公道に至るための他の土地の通行権)
➀ 第二百十条 他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至
るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。
2 池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、
又は崖がけがあって土地と公道とに著しい高低差があるときも、前項と同様とす
る。
② 第二百十一条 前条の場合には、通行の場所及び方法は、同条の規定による通
行権を有する者のために必要であり、かつ、他の土地のために損害が最も少ないも
のを選ばなければならない。
2 前条の規定による通行権を有する者は、必要があるときは、通路を開設するこ
とができる。
※自動車による通行権が認められる場合もある
➂ 第二百十二条 第二百十条の規定による通行権を有する者は、その通行する
他の土地の損害に対して償金を支払わなければならない。ただし、通路の開設のた
めに生じた損害に対するものを除き、一年ごとにその償金を支払うことができる。
④第二百十三条 分割によって公道に通じない土地が生じたときは、その土地の
所有者は、公道に至るため、他の分割者の所有地のみを通行することができる。こ
の場合においては、償金を支払うことを要しない。
2 前項の規定は、土地の所有者がその土地の一部を譲り渡した場合について準
用する。
例:甲地がA・D に分筆されてA地 (袋地) が生じた場合
→ A地の所有者はD地のみを無償で通行できる。
- D地がその後、第三者に譲渡された場合も、同様に通行できる
物権 (No.43)
( 4 ) 竹木の枝の切除及び根の切取り
(竹木の枝の切除及び根の切取り)
第二百三十三条 隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、
その枝を切除させることができる。
2 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。
※越境して来た隣家の柿は食べられないが、タケノコなら食べら
れると考えよう
( 5 ) 境界標の設置など
(境界標の設置)
第二百二十三条 土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設け
ることができる。
(境界標の設置及び保存の費用)
第二百二十四条 境界標の設置及び保存の費用は、相隣者が等しい割合で負担す
る。ただし、測量の費用は、その土地の広狭に応じて分担する。
( 6 ) 境界線付近の建築の制限
(境界線付近の建築の制限)
第二百三十四条 建物を築造するには、境界線から五十センチメートル以上の距
離を保たなければならない。
2 前項の規定に違反して建築をしようとする者があるときは、隣地の所有者は、
その建築を中止させ、又は変更させることができる。ただし、建築に着手した時
から一年を経過し、又はその建物が完成した後は、損害賠償の請求のみをするこ
とができる。
第二百三十五条 境界線から一メートル未満の距離において他人の宅地を見通
すことのできる窓又は縁側(ベランダを含む。次項において同じ。)を設ける者
は、目隠しを付けなければならない。
2 前項の距離は、窓又は縁側の最も隣地に近い点から垂直線によって境界線に
至るまでを測定して算出する。
※動画で見てもらうほうが分かりやすいです。
→ https://youtube.com/@yanagi-law