目次

1 はじめに

2 非公開会社とは

3 公開会社と非公開会社の違い1(設置する機関)

4 公開会社と非公開会社の違い2(取締役及び監査役の任期)

5 まとめ

 

1 はじめに

前回は東芝のケースからみた会社法務1(会社分割(新設分割)について)を解説させて頂きました。今回は東芝のケースからみた会社法務2(非公開会社について)についてみていきたいと思います。なお、本内容は、前回のブログからの続きとなりますので、同じ内容が出てこないようにしております。そのため、前回のブログをまだご覧になっていない方につきましては、あわせてそちらもご確認いただけますと幸いです。

 

2 非公開会社とは

非公開会社とはその発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けている株式会社をいいます(会社法2条5号反対解釈)。なお証券取引所に株式を公開(上場)していない会社という意味ではありません。

 

3 公開会社と非公開会社の違い1(機関)

公開会社とはその発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社をいいます(会社法2条5号)。公開会社と非公開会社の違いの一部をみていきます。公開会社は、取締役会を置かなければなりません(会社法327条1項1号)。また公開会社は必ず取締役会設置会社であるため、監査役を置かなければなりません (会社法327条2項)。しかし非公開会社は取締役会の設置義務はありません。仮に取締役会を置いた場合、会計参与設置会社であれば監査役を置く必要はありません(会社法327条2項)。

 

4 公開会社と非公開会社の違い2(取締役及び監査役の任期)

公開会社において取締役の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時、監査役の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までが原則です(会社法332条1項、会社法336条1項)。非公開会社は、定款によって、取締役及び監査役の任期を選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することができます(会社法332条2項、会社法336条2項)。

 

5 まとめ

以上が、東芝のケースからみた会社法務2(非公開会社について)についてのお話でした。株式会社の機関設計は、専門的な知識が必要であり複雑です。したがって、各種専門家にお願いすることが安全であると思われます。

 

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