今回は亡くなった方が不動産を所有していた場合に相続人の一人が胎児のとき不動産の名義を胎児の名義にすることができるかについて解説させていただきたいと思います。

 

目次

1 胎児は相続人になれるか

2 胎児の親は法定代理人として遺産分割協議ができるか

3 名義人が胎児の場合の登記手続

4 胎児が出生又は死亡した状態で生まれた場合の登記手続

5 まとめ

 

1 胎児は相続人になれるか

法律によれば「私権の享有は、出生に始まる。」とされています。例外として法律は損害賠償の請求権、相続、遺贈については胎児が既に生まれたものとみなされます。つまり胎児は相続人となります。

 

2 胎児の親は法定代理人として遺産分割協議ができるか

先述のとおり胎児は相続する権利がありますが、胎児の親が、胎児が生まれる前に、法定代理人として何かを請求することができません。登記実務では遺産分割協議に基づく相続登記をすることができないとされています。つまり胎児が相続人の一人である場合は法律で定められた割合で相続することになります。

 

3 名義人が胎児の場合の登記手続

名義人が胎児となる場合、胎児は「亡A妻B胎児」の様に申請書には記載します。相続における不動産の名義変更は相続人が申請することが原則ですが胎児は生まれていないため申請することができないため胎児の代わりに母親が法定代理人として申請手続きを行います。

 

4 胎児が出生又は死亡した状態で生まれた場合の登記手続

胎児を名義人とする名義変更をした後、無事に出生した場合、胎児の名義から子の氏名に変更する登記手続きをする必要があります。具体的には氏名変更と住所変更の登記手続が必要です。なお、上記の手続は、子の法定代理人である母親が申請人となって手続きをします。

胎児を名義人とする名義変更をした後、胎児が死亡した状態で生まれた場合、相続の際に「胎児はすでに生まれたものとみなす」という規定が適用されなくなるため、最初から胎児は存在しなかったものとされます。具体的には、所有権更正の登記手続きをすることになります。

 

5 まとめ

以上が、胎児の名義で登記ができるかについてのお話でした。不動産登記は、専門的な知識が必要であり複雑です。したがって、各種専門家にお願いすることが安全であると思われます。

 

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