民法解説49 担保物件総論 担保物件の種類・性質について
物権 (No.49)
担保物権総論
- 担保物件の概要・種類
( 1 )担保とは
本来の債務者(借りた人)以外の「第三者」から返済を受けたり、
担保に取った「物」を売却して、お金の回収を図るための制度
➀保証人などを立てる 「人的担保」
- 連帯債務 : 債務(借金)を一緒に返済する義務を負う人
- 保証人 :債務者(借りた人)が払えない時、代わりに支払う人
②物を担保に立てる 「物的担保」
債務者や第三者が所有する物や不動産に抵当権や質権を付ける
( 2 )担保物権の種類
民法では次の担保物権が定められています
➀法定担保物権 (法律で定められている)
②約定担保物権 (当事者の契約により成立)
担保物件
- 留置権 (法定担保物権)
- 先取特権 (法定担保物権)
- 質権 (約定担保物権)
- 抵当権 (約定担保物権)
- 根抵当権 (約定担保物権)
※民法 No.33・民法概要② 画像下さい
忘れている方は必ず復習して下さい!
- 担保物件の性質
( 1 )付従性
担保物権は、債権を回収する為の手段です。
➀債権が成立しなければ、担保物も成立しません
②債権が消滅すれば、担保物権も当然に消滅します。
( 2 )随伴性
担保物権は、特定の債権(〇年●月●日の貸付金)を
担保するものなので、その債権を譲渡(売買など)した場合
→この担保権(抵当権など)も当然に新債権者に移転します。
※債権の譲受人は
貸付金 + 担保権を取得します
※この債権は担保権のある債権なので、価値が高いと言えます
( 3 )不可分性
担保物権者が債権全額の弁済を受けるまで
目的物(担保物権)について担保権の行使(強制競売)
ができるという性質
例:1000万円の貸付金(債権)の為に担保(抵当権)を設定
毎月10万円ずつ返済した後、5年後に返済が止まった。
=600万円の返済はあったが、残り400万円は未返済
この400万円の回収の為に、担保権の実行が出来る
※この家、全体を売り飛ばして回収可能
家の10分の4しか売れないとなると、買い手がいない。
※担保物権の効力を強化するために認められている
( 4 )物上代位性 304条
担保権者は目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が
受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる
例:目的物が売却された場合の売買代金
目的物が滅失(火事など)した場合に受ける保険金
※設定者(債務者など)に代金などが払い渡される前に差押えを
しなければならない。
※動画とこの記事を一緒に見てもらうほうが分かりやすいです。
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