家族が自身の残した財産の分け方などによって争わないようにする遺言書ですが、

最近では自筆での遺言制度についても法改正されるなど、作成が以前よりも容易になってきています。

しかし、遺言書には様々なルールが設けられており、そのルールを守り、作成しなければ無効と判断されてしまします。

今回はそのルールの中でも「遺言能力」についてご紹介させていただきます。

公正証書遺言の「遺言能力」の有無について

遺言書の有効性については、書いた人(遺言者)が遺言作成時に「遺言能力」を有している必要があります。

「遺言能力」とは、遺言の内容をしっかり理解できるだけの知的判断能力のことです。

作成者が認知症であったり、後見相当の身体状態である場合に作成したとされる遺言書は、遺言能力がない状態で書かれたものであるとして無効とされます。

これはご自身で作成したとされる自筆証書遺言のみではなく、公証役場で作成してもらう公正証書遺言でも同様に無効とされます。

公証人が作成した公正証書遺言であれば安全と思うなかれ!

相続争いが裁判へと発展した際に「遺言能力がなかった」と判断されて無効とされた裁判例は多く存在するため、特に注意が必要です。

 

遺言能力の有無についての判断はあくまで裁判官がおこないますが

判断基準の例としては

  • 遺言者の年齢
  • 当時の身体状況
  • 遺言書を作成してから死亡するまでの期間
  • 遺言の内容
  • 遺言者と贈与を受ける者との関係

以上のポイントなどが見られ判断されます。

 

特に遺言書を作成した日から最も近い時点での「当時の身体状況についての診断結果」はとても重要視されます。

 

仮に遺言書の内容について不自然であったとしても、遺言者の当時の判断能力に問題がなかったと判断される場合には、遺言者が内容を理解して作成したであろう、ということで判断されることが多く、更にそれが公正証書遺言であれば、必要な手順を踏んだものとして、有効と判断される可能性がより高くなります。

 

このように遺言書作成時の「遺言能力」についてはとても重要視されますので注意が必要です。

またその他にも遺言書作成のためのルールはたくさんありますので、作成を検討されている方は一度ご相談に来られることをお勧めします。

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弊所やなぎグループでは、今回ご説明させていただいた遺言書の作成のほか、相続に関するご相談なども無料で対応させていただいております。

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